ユダヤの新年、新年祭、ローシュ・ハッシャーナ、ラッパを吹き鳴らす祭
ティシュレーの月の1、2日、たいてい9月 
このユダヤ新年の朝に、シナゴグで角笛が吹き鳴らされる。
新年に雄羊の角笛を吹き鳴らす理由は、
神の前に角笛を吹き鳴らし、アブラハムの子イサクの燔祭を覚えるならば、
神の前に自分自身を捧げたように見なす、 というタルムードの教え。
アブラハムの信仰を思い起こして、信仰のあるべき姿を心に深く刻みつける。
この箇所を読んで、アドナイ・イルエ、備えの神を確信する。

旧約聖書では「ラッパ」と訳されていますが、原文のテルアーは吹くことを表す言葉で、
吹いて音を出す楽器であれば、他の楽器でもいい可能性があります。
レビ記25章などからも、吹き鳴らすというとたいてい角笛のようなので、角笛と言われています。

新年2日間は、安息日と同じで、
新年の色は白で、白い服を着る。
シャナー・トヴァー(良い年であるように)、
シャナー・トヴァー・ウメトゥカー(甘き良き年でありますように)と祝福する。

甘き良き年をイメージするかのように、りんごを蜂蜜につけて食べる。

エレヴ(夕方)・ロッシュ・ハシャナー新年を迎える夕

新年の2日間は、シャバット(安息日)と同じように
ハラーと呼ばれるパンを使って聖別の祈りを行う。
新年のパンは王冠をイメージした丸形のパンになります。
パンの聖別の祈りをした後に、塩を掛けて食べるのが普通ですが、
新年はハチミツをつけて食べます。
「甘い良い1年であるように」という願いからです。
この食べ方は、仮庵祭の終わりまで続きます。

・タシュリフの祈り
新年1日の午後に、川や池、海などの水があるところに行って、
神様の前に罪を洗い流してくれるように祈る伝統も1部であるようです。
14世紀にドイツで始まったようです。
旧約聖書ミカ書7章18〜19節が引用されます。
「あなたのような神があるでしょうか。
とがを許し、自分のものである残りの者のために罪を見過ごし、
怒りをいつまでも持ち続けません。いつくしみを喜ばれるからです。
もう一度私たちを憐れみ、私たちの咎を押さえつけてくださいます。
あなたは全ての罪を海の深みに投げ入れてくださいます。」
 「あなたは投げ入れてくれます」の部分が「タシュリフ」という言葉。
密かに隠し持ちつづけていて手渡したくない罪を象徴する
滑らかな小石を用意して、投げ入れます。
沈んで行って、見えなくなる状況を、神の罪の赦しを視覚化して行う祈りです。



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