聖書のあらすじ レベル3 時間がない方のために、おおまかに聖書のあらすじをまとめました。
まずは、聖書の前半、「旧約聖書」のあらすじです。

★ 旧約聖書のあらすじ

創世記のあらすじ

・創世と失楽園
 神様が、この世界のすべても、人も造られました。
人は蛇の言葉に従い、神から禁じられた「善悪の木の実」を食べた。結果、人は死ぬこと、地が呪われたために労働の苦しみ、出産の苦しみが生じた。
そして「女の子孫である救い主が、悪魔のかしらを打ち砕き、悪魔が救い主のかかとに噛み付く」という預言が与えられた。

・大洪水
 人類が地上に増えると悪も増大した。神が大洪水で滅ぼそうとする。神の心にかなった義人ノアに箱舟を作るよう命じ、家族と動物たちのカップルを箱舟に入れるよう指示。箱舟に入った生物は生き延びた。
・族長たち
 さらに時が進み、神はアブラム(後にアブラハムと神から言われて改名)という人に「あなたの子孫にカナンの地を与える」と約束。子供ができない老人夫婦だったが、約束の子イサクを授かる。そして、イサクの子ヤコブは「イスラエル」という名が神から与えられる。

 ヤコブの12人の男の子供(のちの12部族のもと)のうちの一人ヨセフは、兄たちに奴隷商人に売られ、エジプトで奴隷生活をした。エジプトで神の助けで夢の解き明かしをし、高官に昇進し、エジプトを飢饉から救う。食料を求めてやってきた兄たちに正体をあかし、家族と再会。ヤコブ(イスラエル)一家は、エジプトに移住する。

出エジプト記〜申命記あらすじ

・出エジプト

 飢饉から救った恩人ヨセフも忘れ去られた時代、エジプトではイスラエルの子孫が増え、奴隷にされる。イスラエルの民の増加を恐れたエジプトのパロ(王のこと)は、「男の赤ちゃんは殺せ」と命令。そんな中、エジプト王の娘がナイル川に水浴びし、かごに入った赤ちゃんを見つけ、「モー」と名づけ、引き取って育てる。

 モーセは成長し、ある日、同胞イスラエル人がエジプト人に打たれているのを見て、エジプト人を殺して助ける。殺人がバレて、ミデヤンの地に逃亡し、現地の娘チッポラと結婚。
 ある日、羊を飼っているとホレブ山で燃える柴の中から神の声がかかる。「エジプトに行き、民を救い、先祖たちに約束した地に導き出せ」と告げられる。
 モーセは兄アロンと再会し、共にエジプト王(称号パロ)に神の奇跡を現して、「民を行かせるよう」、たびたび交渉するが、パロは聞き入れない。最後に長子が死ぬという災いがエジプトに起き、とうとうパロは、イスラエルの民がエジプトを去る許可を与えた。イスラエルはエジプトを急いで出る。これが「過越祭」となる。
・荒野の放浪
 民は、それぞれの部族(12部族)にまとまって行動し、移動。約束の地を偵察した時に、民は、荒野で死にたいと不満を言い、その通りになった。
40年間、民は荒野を放浪し、モーセと兄のアロン、姉のミリヤムも死亡。
 モーセは後継者として、ヨシュアに民を託し、新しい世代が約束の地に入った。

ヨシュア記〜マラキ書あらすじ

・約束の地
 ヨシュアは、イスラエル民族を率いて約束の地を攻略し、12部族ごとに土地に住み着いていった。ヨシュアの死後もまだ攻略すべき地が残っていた。
ヨシュア世代の長老たちが死ぬと、民は主なる神の道を外れた。
 たびたび、主に選ばれた「士師」と呼ばれる英雄が現れて、他民族の抑圧から民を救うが、また民は神から離れて堕落する・・のくり返し。

・イスラエル王国の繁栄と衰退
 民は王を求めるようになり、神の託宣を受けた預言者サムエルが、初代の王にサウルを任命。サウル王は規定に背き、祭司ではないのに捧げ物の儀式を行い、神の怒りを買い、神の前に王位から退けられた。水面下で神の託宣を受けた預言者サムエルにより、少年ダビデが王に選ばれた。
 ダビデは竪琴が上手でサウル王に見出され、サウル王が悪霊に悩むたびに琴を弾いて和らげた。
 ある時、ペリシテ軍の大男の勇者ゴリアテが来て、一騎打ちを申し込む。イスラエル軍はひるむ中、少年ダビデが名乗りを上げ、勝利。その後、ダビデは戦に参加し、戦果をあげたので、サウル王は恐れ、ダビデを殺そうと企む。ダビデは王から逃亡する。じきにサウル王は戦死し、ダビデが王となる。

 ダビデ王と、その息子ソロモン王の時代は繁栄した。それは彼らが神に従い、正しい政治を行ったゆえである。
ソロモンは賢い者として有名だったが、他国の多くの妻を持ち、晩年、妻たちにそそのかされ、偶像崇拝をし、神の怒りを買い、王国が引き裂かれると預言者に預言される。

・分裂、滅亡
 国は北王国イスラエル南王国ユダの2つに分裂し、互いに対立を繰り返した。
ユダ族、ベニヤミン族の2部族
はダビデ王の家系の王に従った。
残りの10部族は、北王国イスラエルとして別の王が統治。
 悪い王が即位し、悪行を行うと、預言者たちが警告を発したが、結局、北王国イスラエルはアッシリアに、南王国ユダはバビロンに滅ぼされた。

・神殿の復活
 戦いに負け、捕囚として、異国に連れて行かれた民。異国の地で、主なる神の託宣を受けた預言者たちによって、再び帰れることを預言される。

 さらに時代は流れ、ペルシャの王クロスが帰国の許可を出す。預言者ハガイ、ゼカリヤの励ましにより、主の神殿と、城壁、律法の立て直しを行う。

 たびたび、複数の預言者によって、堕落を戒められ終末の預言、さらに救い主の到来の預言をされる。
民は、預言で語られている、神から遣わされる「救い主」を待ち望んだ。



 ・・ここまでが、聖書の前半の書「旧約聖書」のあらすじです。

さらに時代が流れ、聖書の後半部分の「新約聖書」に移ります。

※旧約時代と新約時代の間(中間時代)に、ローマの侵略があり、ローマの支配下になります。


 ・・ここからが、聖書の後半の書「新約聖書」のあらすじです。
新約聖書

福音書のあらすじ

 旧約聖書で預言者たちが預言していた先駆者「主の前に使者を遣わし、道を整えさせる。荒野の叫ぶ声」・・という人物が現れる。
それは洗礼者ヨハネで、荒野で 「神の国が近づいた。悔い改めて、洗礼を受けよ。」と呼びかけ、人々に洗礼を授けた。
 そして、旧約で預言されていた、神の救い主イエスも誕生する。

 イエスは、マリヤという結婚前の乙女から生まれた。ある日、マリヤ天使ガブリエルから「救い主の母」となることを告げられる。
これも旧約聖書の「処女が身ごもって男の子を産む」の預言の成就。
 婚約中のヨセフは悩んだが、天使に語られて、予定通りマリヤと結婚するが、イエス様が生まれるまではマリヤに触れなかった。
 イエス様は30歳くらいで活動を開始し、洗礼者ヨハネのもとに行き、洗礼を受けた。洗礼者ヨハネは、イエスが救い主だと知り、洗礼を授けることを恐れたが、イエス様は授けるように語る。
それからイエス様は荒野へ行き、悪魔からの試みを退けた。
 それから弟子たちを選び、宣教を開始し、神の御心を説き、病人を癒し、悪霊を追い出し、奇跡を行った。
民衆は、「イエス様こそ、国をローマから救ってくれる救い主だ」と思ったが、イエス様の「神の国、救い」は、人間の霊的な状態の事だった。
 弟子たちは多くいたが、特に直弟子のような12人を選んだ。(キリスト教で12弟子、または12使徒と呼ばれる)
イエス様は、十字架刑で死んで、三日目に復活すると、あらかじめ予告し、そのとおりになる。
イエス様の人気に嫉妬したのは、祭司や律法学者やパリサイ人たち、つまり宗教のエリート教師たち。彼らはイエス様を殺す決意をする。
 イエス様の弟子ユダは、イエス様を祭司たちに売り、居場所を密告し、先導して捕らえさせた。(ユダはその後、自殺。)イエス様は拷問尋問を受け、死刑が確定。十字架を背負い、どくろの丘(ゴルゴタ)という処刑場で十字架にかかった。
 イエス様は、神を受け入れる人類のために、罪の代価となられた。
この事を受け入れ、告白する人たちは、神の前に、罪がゆるされ、永遠の命を持つ。
受け入れた人は、神の裁きを受けず、死後は天国、神の国で永遠を過ごします。
しかし、受け入れなかった人は、神のゆるしを得ることができず、永遠の火の刑罰が待っている。
 イエス様は、十字架の死から三日目に、墓から復活し、弟子たちに聖霊、神の霊を送ると約束を交わす。
そして、弟子たちの前で天に昇られた。
 やがて同じように、再び、地上に来られますが、その時は、裁きの時です。これを再臨(さいりん)と言います。
 
使徒行伝のあらすじ
 弟子たちが、イエス様が昇られた空を見上げていると、御使い(天使)が「今、昇ったのと、同じように、またイエス様は来られる」と予告した。
後日、弟子たちが共に祈っていると、聖霊が下り、他国の言葉で話し出し、人々を驚かせた。
ペテロ
が「イエス様こそ救い主であり、受け入れて救われるよう」促すと大勢が救われた。使徒達によって癒しも行われ、どんどん信徒数が増加。
 
 サウロというユダヤ教(旧約聖書の信徒)のエリート教師が、クリスチャン(イエス様を救い主だと受け入れた人々)たちを激しく迫害していた。
迫害のための旅の途中、「なぜ迫害するのか?私はあなたが迫害するイエスである」との声を聞き、盲目になる。
 時にアナニヤというクリスチャンが、神から「サウロのもとへ行って、癒しの祈りをするよう」命じられ行うと、サウロの目から鱗のようなものが落ち、見えるようになった。
サウロ(パウロ)はクリスチャンとなり、熱心に宣教する者になりました。
 
 当初、「救いはユダヤ人のもので、異国人のものではない」と考えられていたが、聖霊が異国人にも下り、ペテロが神から見せられた幻(清い生物と清くない生物が一緒に入った袋を見せられて、「食べなさい」と言われ、拒否したら、「神が清めたものを清くないと言うな」と言われた幻)もあり、異邦人も救われる・・と確信をづけられ、異邦人宣教が行われるようになった。
 この異国人宣教で活躍したのが、聖書に精通していて、ローマ市民権を持つパウロ(サウロ)だった。
パウロたちは最後まで宣教を貫く。(補足※伝承によれば殉教。迫害により、多くの信徒が殉教したと言われている。)
 
手紙
 使徒たちや長老たちは、各地の教会あてに手紙を書いて、諸教会で回し読みをさせた。間違った教えがあったり、誤解されている部分を矯正するため、また信仰を励ましたり、アドバイスするために手紙が書かれた。また個人的な手紙なども掲載。信徒としての心構えや注意すべきことなどを綴った。
 
黙示録
 使徒達が殉教する中、使徒ヨハネは、12使徒の中で一番若かったが、伝承では殉教せず、長生きをしたと言われている。使徒ヨハネも迫害により、パトモスという島に島送りされる。その時、終末に起こることを神から啓示された。
 地の苦難、激しい戦い、主イエスの再臨、神の裁き、悪魔とそれに従う者たちが火の池に入る裁きを受けること、新しい天地になる・・という壮大なスケール。
 古い天地が過ぎ去った後、神の救いを拒否した人たちは、永遠の滅び、火の刑罰の中で永遠を過ごすことになります。
神の救いを受け入れた人たちは、永遠に神の都に住み、神と共に生きることになり、そのような人たちは幸いであると書かれています。



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