★旧約(ヘブル語)聖書の配列

旧約聖書はユダヤ教を知ると、より意味がわかったり身近になります。
せっかくの勉強の機会なので、ここでの旧約聖書の詳細は、ユダヤ教聖書順で表示いたします。

・聖書原典の原
 旧約聖書の原典は、古代ユダヤ人の言葉であるヘブライ(ヘブル)語で書かれました。
ヘブライ語は、右から左に書きます。アレフベート(アルファベット)は子音で、母音は発音しても書きません。文字が数字にもなります。
聖書の1部は、アラム語です。
アラム語の部分は下記になります。アラム語は、アッシリア帝国やバビロニア帝国での公用語で、当時の国際公用語です。

「ラバンはそれをエガル・サハドタと名付けたが、ヤコブはこれをガルエデと名付けた」創世記31章47節。
エガル・サハドタはアラム語、ガルエデはヘブライ語で、どちらも「証の塚」という意味です。

エレミヤ10章11節

エズラ4章8節から6章18節、7章12節から7章26節。

ダニエル書の2章4節の途中から7章28節までがアラム語。

★旧約聖書(ヘブル語)の正典
 70年に、国が滅亡したユダヤ民族は離散し、90年ごろ、エレサレムの西のヤネブで会議を開き、正典を決定した、と一般的なキリスト教内では言われています。
もっと前から検討されていたんじゃないか?と、いろいろ説があるそうです。


★タナハ聖書巻名一覧

 キリスト教徒で言う「旧約聖書」ですが、その旧約聖書をユダヤ教では「タナハ」と呼んでいます。
Torah(トーラーモーセ五書)、Nevim(ネビイーム預言者、Ketubim(ケスビーム諸書)の3つの部分に分けていて、その頭文字 に母音を付してタナハと呼んでいます。
またはミクラー(朗読するもの)とも呼ばれます。

キリスト教の旧約聖書とは配列が異なり、
順番は、創世記から歴代誌で終わります。
旧約聖書は36巻ですが、ユダヤ教では24巻としています。上下巻が統一されてたり、似た書同士ひとまとめにされているからです。
くわしくは、下記の表の分類を見てください。



・モーセ5書、律法(トーラー)
律法と訳されている「トーラー」という原語の意味は、「教え」という意味です。
トーラーには、書かれた成文律法と、口で言い伝えられた教えの口伝律法があります。

創世記  天地の創造から、はじめの人間アダム、エバの創造、そして失楽園、カインとアベル、ノアの大洪水、バベルの塔、アブラハム、イサク、ヤコブ、ヨセフまでの話。
出エジプト記  エジプトで奴隷になっていたイスラエルの民を、エジプト王女の養子モーセが解放した。モーセは、一旦は失意し逃亡したものの、逃亡先のミデヤンで家庭を持ち、多くの時間を過ごした時に、主なる神の声を聞く。エジプトに戻り、兄アロンとともに、王に何度も解放を求めた。王が拒むたびに、神は災いを下し、最後の長男を打たれる災いで、王は民を解放した。民は急いで脱出したが、王が追ってきた時、モーセは神の言われたとおりに杖を海に向けると、海が割れ、民は海の真ん中を通り、渡り終えると、追って来たエジプトは海に飲まれた。
 旅している途中に、民の不満が何度か噴出する。また十戒をさずかったり、そんな時に民が偶像崇拝に陥る。そして、幕屋制作で、話が終わる。 
レビ記 礼拝規定と言われるレビ記。
民数記 冒頭が人口調査なので、このタイトル。七十人訳聖書ではアリスモイ(数)と呼ばれた。ヘブライ語聖書では、冒頭がたいていタイトルになるが、その冒頭の語から、ベミドバル(荒れ野に)と呼ばれた。
申命記 モーセ最後の説教と言われている書。日本語の申命の意味合いは、「繰り返し命じる」という意味。
ヘブライ語聖書では冒頭からデヴァリーム(言葉)と呼ばれる。第二法の書とも呼ばれ、七十人訳聖書はデウテロノミオンで、七十人訳の訳者が17章18節「律法の写し」という言葉を「第二の律法」という意味に誤訳したことからつけられた。
 モーセが著者で、死亡記述はヨシュアが書いたという伝統的見解と、または、後にヨシヤ王とヒルキヤの政策により、作られた書という説もある書。


・預言者、ネビイ−ム
前預言者、後預言者、12小預言者で構成。

・4つの前預言書(上巻、下巻の区別がなく、1つの書になっている。。)

ヨシュア記 ヨシュアは、「ヤハウェは救い」を意味する。イエス様と同じ名前で、ヘブル語読みは「イェシュア」。
ヨシュアはモーセの後継となり、約束の地カナンを攻略し、それぞれの部族に土地を割り当てる。
士師記  イスラエルの民は、約束の地に入ったものの、主なる神に従わず、背信を犯す。世代ごとに「士師」という、主に力を与えられた人物によって、助け出されるが、何度も背信を犯す民の姿が書かれている。
サムエル記上
(または第1サムエル記)
サムエル記下
(または第2サムエル記)
 第1サムエルは、預言者サムエルの誕生の経緯から、王権制度の確立、初代王のサウル、そしてダビデ・・サウルの敗戦まで。

 第2サムエル記は、サウル王の訃報を聞き、親友ヨナタンの死を悲しむタビデ。その後、サウル王家との戦いがあるも、勝利し、全イスラエルの王となる。ダビデ自身の罪や、家族内の問題が起きる。
列王記上
(または第1列王記)
列王記下
(または第2列王記)
列王記は預言者のエレミヤが書いたと言われています。
 第1列王記は、ダビデの老年から、ソロモンの輝かしい威光と繁栄、そして2つの国(北イスラエル、南ユダ)に分裂し、争いを繰り返す。最後の記述のアハブ王とヨシャパテ王は仲が良かった。

 預言者エリヤ、エリシャの活躍や、歴代の王たちの記録、そして、イスラエルはアッシリア、ユダはバビロンにより滅び、捕囚の民となった。


後預言書

イザヤ書 同時代はミカ。
イザヤはエルサレムの上流階級の出身。
エレミヤ書 独特な実践方法で語られる預言形式が目立つエレミヤ。
エゼキエル書 不思議な幻の啓示が多いエゼキエル書。


・12小預言者

ホセア書
南ユダ出身。「主の救い」の意味の名。ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤ王治世時代、30年以上活動した預言者。
ヨエル書
ヨエルは「主は神」という意味。裁きの日の到来の預言。
アモス書
アモスは、重荷を負う者の意味。同時代ホセア、イザヤ、ミカ。
南ユダ出身テコアの村。
周辺諸国のさばき、北王国イスラエル、ヤロブアム2世統治時、べテルで預言を語る。
オバデヤ書
オバデヤはヤハウェの僕という意味。エルサレムがバビロンに滅ぼされた時に助けず、敵側になって略奪に加わったエドムの滅びを預言した。
ヨナ書
北王国イスラエルの王ヤラベアム2世の治世(前787〜前747)の預言者。
「彼は、レボ・ハマテからアラバの海までイスラエルの領土を回復した。それは、イスラエルの神、【主】が、そのしもべ、ガテ・ヘフェルの出の預言者アミタイの子ヨナを通して仰せられたことばのとおりであった。2歴14:25」
・あらすじ
 敵国アッシリアの首都ニネベに預言するよう使わされるが、拒否をして別の船に乗り、逃げようとするが、船が嵐に遭う。その原因がヨナであることがわかると、ヨナは海に投げ込まれ、三日間大魚に呑まれて悔い改めをする。大魚から吐き出され、ニネベで預言をすると、民が悔い改めてしまい、ヨナはおもしろくない。怒るヨナに、神はとうごまで神の愛を教える。
★注目聖句
ヨナ4:11 まして、わたしは、この大きな町ニネベを惜しまないでいられようか。そこには、右も左もわきまえない十二万以上の人間と、数多くの家畜とがいるではないか。」
ミカ書
同時代はイザヤ。
紀元前8世紀頃のユダの王ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの時代の預言者。
悪い時代と滅亡、そして回復、ベツレヘムからのメシヤ預言など。
エルサレムから南西30キロメートル余りの小さな町モレシテに住む。
ナホム書
 ナホムは慰める者という意味。ゼパニヤと同じく全7世紀にアッシリアの首都ニネベ滅亡預言をし、成就した。
紀元前722年にイスラエルを滅ぼしたアッシリアだが、ナホムの預言通り、前612年にニネベが陥落した。
3:8ノ・アモンはアッシリアに征服されたエジプトのテーベの都のこと。
ハバクク書
紀元前587年エルサレム滅亡する前のユダの最後の時代の預言者。
3章に、聖歌隊指揮者へ竪琴などの弦楽器を奏する記述があるので、神殿に仕える預言者と推定される。
 ダニエル書補遺「ベルと竜」にも、ユダヤの預言者として登場し、バビロンのライオンの洞窟にいるダニエルに食料を与えた。
ゼファニヤ書 またはゼパニヤ書
ヨシヤ王はゼパニヤの預言で前621年に改革をした。ユダが滅ぶ前の数十年間に活動した預言者。
ハガイ書
 ハガイは祝祭という意味。同時代:預言者ゼカリヤ、大祭司ヨシュア、総督ゼルバベル、ダリヨス王治世時
バビロン捕囚後の預言者。
主の神殿再建(紀元前515年)を励まし、奮い立たせる預言。
ゼカリヤ書
 同時代:預言者ハガイ、大祭司ヨシュア、総督ゼルバベル、ダリヨス王治世時
ゼカリヤは、主は覚えて下さるという意味。ハガイより2ヶ月遅れて預言活動を始めた。
マラキ書
 マラキは私の使者という意味。匿名でつけた名前という説もある。捕囚から帰還した民への預言。


諸書、ケスビーム11巻
 エメト、メギロースで構成されている。

・真理(エメト)3巻。
ヨブ記、箴言、詩編の頭文字から取られた造語で、真実、心理という名詞になぞらえている。

詩編 神への賛美集。もともと楽譜のように音などの指定が書かれていたようです。ユダヤ教やキリスト教で、よく朗読されたり歌われます。ユダヤ教徒は一週間で一巡りするように毎日朗読するそうです。
5巻構成で、モーセ5書の5部構成のように、ユダヤ教の学者たちが5部構成にしたと言われています。内容で分けたというのではなく、ただの区分のようです。
外典には、ダビデの作と言われる151篇もあったりします。
箴言 格言集。知恵の言葉。
ヨブ記 ウツの地に正しいヨブという人が住んでいたが、ある日、サタンが主にヨブを試みる事を訴え出た。ヨブは財も家族も健康を失い、みじめな状態になり、そんな彼の元に友人たちがやってきて、議論を展開する。最終的に主が答え、ヨブの健康も財産も家族も祝福し増加した。


メギロース(巻物)
メギロースの中の五つの巻物(雅歌、ルツ記、哀歌、伝道者の書(またはコヘレトの言葉)、エステル記)は、祝祭で読まれます。

雅歌
 「歌の中の歌」という意味で、最も優れた歌という意味。ソロモン王の作とされている恋愛の歌。
いろいろと議論が持ち上がり、聖書の説教でもあまり使われない雅歌。内容は男女の恋愛の歌である。
キリスト教的には、神と人との関係の比喩として解釈されている。
他の見方をすれば、地名や国土的なものが多く出るので、ソロモン王の王位の歌のような、王と国(特定の場所)の関係をなぞらえているとも取れます。
ルツ記
・内容
 夫を亡くし、ユダヤ人のしゅうとめナオミについて行き、ユダヤ人の地ベツレヘムで暮らし始める、異国の女ルツの物語。
ナオミの提案に従い、買い戻しという慣わしに従い、ボアズと結婚する。
異邦人ルツの、血筋よりもまさる真実で、誠実な行いが賞賛されている。
 見どころは、「親を敬う」という律法の模範のように、義理母ナオミに対して異邦人のルツが行っています。
また、ボアズも異邦人で貧しいルツに対して施しを自然に行っており、ボアズの義人的態度にも注目です。
そんな義人同士の結婚で、子孫にダビデが生まれたのも神の祝福でしょう。
 情欲ではなく、結婚を尊んだ行いの祝福でもあるとも言えます。

★注目聖句
ルツ3:10 すると、ボアズは言った。「娘さん。【主】があなたを祝福されるように。あなたのあとからの真実は、先の真実にまさっています。
あなたは貧しい者でも、富む者でも、若い男たちのあとを追わなかったからです。
哀歌
 預言者エレミヤの哀歌と言われているので、エレミヤ書の後に、キリスト教聖書には配列されている。
バビロン捕囚の時代に作られた、紀元前586年のエルサレム崩壊を嘆く5つの歌。
・内容
 敵が支配して勝ち誇り、栄える一方、輝きは失せて汚れて落ちぶれ、、荒れ果てて病み、過去をうらやむ。惨状を神に嘆き訴える、哀しみの歌。
伝道者の書(またはコヘレトの言葉)
コヘレトは、集会を召集する者、集会の中で語る者の意味。
神以外、すべてはむなしいというような内容。
エステル記
 プリム祭にシナゴク(ユダヤ教の会堂)で読まれる書。
エステル(ペルシャ語で星)はペルシャ名、ヘブライ語名はハダサ
クセルクセス1世(ヘブライ語アハシェエロス)
アケメネス朝ペルシアの王(在位:紀元前486年 - 紀元前465年)で、ダレイオス1世とアトッサの息子。
クセルクセス1世の在位期間は、紀元前496年-紀元前475年ごろの説もある。(ペルセポリス出土の銘文に、父ダレイオス1世との共同統治期間が示唆されているため)
エズラ記6章と7章の間の時代かと考えられている。

一人の人によって生きもし、滅びもするという教訓。ハマンのような利己的な高官がいると、そういう人のちょっとした感情で、民族を滅ぼしたり、戦争を引き起こしたりもできる一方、エステルのように逆転して助ける事もできる。戦争や迫害といったものは、たいてい、こういう高位の権力者の気まぐれや感情だったりする現実・・・。
・内容
 ペルシヤのアハシュエロス王の宴会で、7日目に王妃ワシュティを呼びつけるが王のもとに来ないので、宦官たちの助言により王妃を退位させた。
代わりに、乙女たちが集められ、その中からエステルが王妃として選ばれる。エステルのおじモルデカイは王の暗殺を企てる2人の宦官ビグタンとテレシュを密告。
 ハマンという王に重んじられる宦官が、モルデカイが自分にひれ伏さないので、モルデカイを民族もろとも滅ぼす願望を持ち、くじでその日を決める。王をそそのかし、それを実行するための法令を発布。モルデカイはエステルに王に嘆願するよう指示。エステルは王にハマンとともに宴会へ出るように勧める。自分と王以外、宴会に招かれない事を喜んだハマンは、家に帰り自慢し、気に入らないモルデカイを殺すための柱を作る。
 二回目の宴会で、エステルはハマンの悪事を王に話すとハマンは処刑された。エステルは民族殺害の日を、逆に民族の敵に報復する日として、王に頼み、法令を発布する。シュシャンの都にいるユダヤ人には、2日間そのようにするよう命じた。
 ハマンがくじ(プル)で日を決めた事から、「プリムの祭り」と呼ばれる。

メギロースの続き

ダニエル書 戦争で敗れ、異教の地バビロンで暮らすダニエルの物語。真の神に仕えるダニエルは、逆境を奇跡的に越えて、王たちに気に入られました。そして、神様から大きな幻を啓示されました。
エズラ記
ネヘミヤ記
 エズラはアロン家系の祭司。エズラ記4:8-6:18、7:12-26はアラム語で、エズラはヘブライ語、アラム語ができた。ネヘミヤより13年前にエルサレムに帰還。

 ネヘミヤ「主は慰めて下さった」という意味。12年間の総督任務後、スサに帰還し、紀元前433年エルサレムで終生住んだ。
歴代誌上(または第1歴代誌)
歴代誌下(または第2歴代誌)
第1歴代誌 系図とダビデ王、ソロモン即位まで。

第2歴代誌 ソロモンからの王家の移り変わりとバビロン捕囚、ペルシヤ王クロスのあわれみまで。

著者はエズラという見解が一般的で、列王記、サムエル記と重複するところもあります。



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